2007年 11月 09日
新しい有機農業のかたち |
風邪もすっかりよくなったので、友人にすすめられて前々から行きたかった、Agricoltura Nuovaへ行って来ました。
そのまま訳すと「新しい農業」。
ローマ近郊Spinacetoにある、有機栽培農園です。
この地域は、終戦以降に工場がどんどん建てられ、環境破壊が進み、瞬く間にローマの田舎の風景が消えてしまったところ。
しかし、この恐るべき速さで進む土地開発に反対した若い農民達が、
・有機農業を守ってゆく
・環境破壊を阻止する
この2つの信念を持って、6000ヘクタールの土地を占拠します。
こうして1977年にうまれたのが、Agricoltura Nuova。
有機栽培の原則を守りながら、豆類、牛乳(チーズ、リコッタ、ヨーグルト)、蜂蜜、果物、野菜、卵、ワイン、肉(羊、牛、豚)を作っています。
幹線道路の喧騒を後ろ目に、土ぼこりの上がる細い道を入って行くと、そこに広がるのは「おじいちゃん達の世代が眺めていた風景」(夫談)。
草を食べる羊達、駆け回る大きな牧羊犬、そして馬たち。
現在も過去もこの先の時も関係ないかのような、魔法の景色。
あまりにボコボコで車もひっくり返りかねない道を進むと、彼らが作っている食材の直売地があります。ここが今日の目的地。
有機栽培にはコストがかかります。
その食材が様々な業者の手を通して消費者の手に届くころには、どうしても値段が上がってしまうもの。
そこで彼らは作ったものを卸さずに、自ら加工して直接消費者に売ることで、そういった壁を取り払いました。
まさしく、「新しい農業のかたち」。
今回買い求めたのは、土の香りがする野菜たち、そしてパン作り用の小麦粉、珍しい羊のヨーグルト。
オレンジとみかん。
風土と季節の香りを胸いっぱいに吸い込んだら、
さて、なにを作ろうかな。
Agricoltura Nuova
Via Valle di Parna, 315, Roma
tel 06.5082.8294
www.agricolturanuova.it
一枚目の写真は、農園のホームページよりお借りしました。
by fd-terra
| 2007-11-09 20:23
| ローマを散歩